ef - a fairy tale of the two.

総括。
実際のところ、救いなんて殆どない物語でした。
安易な奇跡が一切存在しません。
だからこそ、好きになれたんですけどね。
まず、第1章と第2章なんだけど、正直あんまり必要があったとは思えない。
話としては、まあ普通に恋愛物になるんでしょうか。
自分の夢のために、敢えて困難に挑む人。
目標を失っても、もう一度歩き出した人。
まあ確かに「意志」に関係してはきますが、基本的に爽やかなハッピーエンド。
ここまでは綺麗なエロゲですね。
さて、第3章と第4章。
一気にシナリオが凶悪に(笑)
第3章の千尋にはやられましたね。
記憶を失う系の話には弱いんですよ。
何度も例を出してあれですが、主人公が忘れ去られるパターンならONE、主人公が忘れるなら秋桜の空にが思い出されますが、ヒロインが忘れるっていうのはちょっと珍しいかもしれません。
自分の手帳だけがその記憶。
そう思っていたけど、本当はそうじゃなかった。
自分が忘れても、自分以外の人はちゃんと覚えててくれる。
千尋に怯えつつも、それでもきちんと向き合ったレンジ君は尊敬に値しますね。
私じゃまず無理ですw逃げますww
何も変わらないように見えて、きちんと変わっていたのです。
最後まで記憶は戻らず、ある意味一番残酷な話なんですが、とても清々しい終わり方をしていましたね。
一番好きな話です。
第4章。
ミズキに関する裏事情や、話の結末は最終章で語られるので、最終章を踏まえて書きます。
遠ざけても遠ざけても、それでも近づいてきた女の子。
与えるか奪うか。
奪って終わりにするつもりだったはずなのに、いつの間にか期待をしてしまっていた。
まあ、やり過ぎたとは思うけど、久瀬の立場なら人を遠ざけて正解なような気もします。
彼女の強さで、結局最期までともに歩いていくことになりましたが。
ミズキの強さに震える話でしたね。
身近で確実な死を前にして、それでも幸せに生きていこうとする強さには感服しました。
あ、でも久瀬は犯罪者決定ですよね。
ロリコンおめでとうw
最終章。
優子の生い立ちについては、なかなかキツいものがありましたね・・・。
兄がどこまで本気で優子を憎んでいたのかが気になるところ。
でもやっぱり、散々苦しめて自分だけ逃げるのはずるいよなぁ。
折角つかんだ幸せも長くは続かず・・・。
それでも夕はきちんと前に進んでいたということが明かされます。
そう、いつまでも過去の話ばかりしているわけにはいかないと。
優子という奇跡に感謝して、あの頃伝えられなかった言葉を告げ、別れ。
物悲しくも綺麗で爽やかなエンディングだったと言えます。
優子以外に超展開もなく、安易な救いもなかったのが好印象です。
ただ、私にはちょっと眩しすぎる終わり方だったかなと。
振り返ったって良いと思うよ。
ま、現実は否が応にも押し寄せてくるので、現実的にいつまでも後ろを見ているわけにはいかないでしょうけど。
とまあ、こんな感じかな。
シナリオを章ごとに纏めると。
第3章>>>第4章、最終章>>>>第2章>第1章
ですね。
キャラは、
千尋、優子>>>ミズキ>みやこ>>景
ですね。
みやことか景とか正直latter taleでは空気だったよね。
ちょっと勿体ないかなっていう気はしました。
で、文句を言いたいのはシステム面。
ちょっと不便すぎます('A`)
特に優子と夕の会話のシーンはどうにかして欲しかった。
スキップ不可、エンターキーでテキストを進めるのも不可の完全強制オート、かつポーズすら出来ずに始まったらずっと見ていないといけない。
これは正直イラっとしましたよ。
これさえ無ければ他は目をつむれたんですけどね。
絵とCGに関しては文句ないですね。
綺麗だし、可愛かったです。
OPも良くできてたと思いますよ。
綺麗すぎてちょっと期待しすぎてしまった感もしますが。。。
で、総合得点ですが。
80点の☆4つです。
first tale.とlatter tale.を併せてこの点数です。
片方ずつ点数をつけても意味がないですからね。
強いて割り振るなら75点と85点で平均80点という感じかな。
プレイしてて普通に面白かったけど、どこか心に届かなかったです。
特にラストが。
これは相性の問題かもしれませんね。
テキストが悪いということはないので、人によってはもっと良い評価をしても不思議じゃないです。
ま、私としてはこの点数ということで。
おとぎ話は、これでおしまいです。