民法

やっと1問オワタ・・・。
たまには誰か突っ込んで欲しいw
(1)賃借人Bは、2004年1月に賃貸人Aから甲建物の引渡しを受けて居住していたが、Aに甲建物を売却したCは甲建物の売買契約の錯誤を主張して訴訟提起し、この訴訟はCの勝訴で確定した。Cは、Bに対して、建物の明け渡しとC所有の建物を勝手に使用していたとして2004年1月からの賃料相当分を不当利得として請求してきた。ABC間の法律関係について説明しなさい。


Aに甲建物を売却したCは甲建物の売買契約の錯誤を主張して訴訟提起し、勝訴した。よって、AC間の売買契約は無効となり、甲建物の所有権はCにあった。この場合、Aが他人であるC所有の甲建物をBに賃貸しており、他人物売買である。他人物賃貸契約も、債権的には有効に成立する(559条、560条)。なお、目的物が賃貸人の所有に属することは重要でないから、Bは錯誤無効(95条)を主張できない。
従って、他人物賃貸借においても、通常の賃貸借と同様、賃貸人は賃借人に対し、目的物を使用収益させる義務を負い、賃借人は目的物の使用収益に対して賃料を支払う義務を負う(601条)。
しかし本問では、Bは所有者Cから建物の明け渡し請求を受けている。Bは、賃貸権限のないAから賃借した以上、Cからの建物の明け渡し請求に応じなければならず、使用収益できなくなった場合には、Aの賃貸人の債務は社会通念上不可能となる。そこで、Aの担保責任、債務不履行責任、Bの賃料支払義務が問題となる。この場合、一般原則に従えば、賃借人BはAとの賃貸借契約解除をしない限り賃料支払義務を免れないはずであるが、Bは、解除を待たずに履行不能による賃貸借契約の終了を理由として、以後の賃料支払義務を免れるものと解する。なぜなら、継続的契約である賃貸借契約においては、対価たる賃料は使用収益の継続に対応して生じていることから、使用収益が全部不能になった時点で賃貸借契約は当然終了するとみられるからである。
以上を踏まえた上で、AB間の法律関係について論じる。
Aは、他人物売主の担保責任に準じた担保責任を負う(559条、561条)。Bは、Aとの賃貸借契約を解除し、損害の賠償を請求できる。
また、Aの履行不能につき過失が認められれば、債務不履行責任(415条)も負うと解する。なぜなら、他人物賃貸借の担保責任があるからといって、債務不履行責任を免除する趣旨ではないからである。
次に、BC間の法律関係について論じる。
CのBに対する建物の明け渡し請求に対し、Bはその賃借権を真の所有者たるCに主張することはできず、明け渡し請求に応じなければならないのが原則でである。従って、BはCに甲建物を明け渡さなければならない。また、Cは甲建物の使用収益について賃料相当分を不当利得返還請求(703条、704条)をしているが、Bは賃料相当分を支払う必要があるのか検討する。この点、Bは、有効な他人物賃貸借に基づきすでに賃料を支払ってる部分については利得がないから、不当利得返還請求はできない。更に、Bが他人物であることに過失がある場合は、BはCに対して不法行為責任(709条)を負う。
最後に、AC間の法律関係について論じる。
Aに賃貸権限はないから、CはAに対し、Bから受領した賃料について不当利得返還請求(703条、704条)ができる。